アニメの赤毛のアンについて
とこ
さん
1月10日(水) 22時49分
再放送していたアニメの赤毛のアンを見終わりました。最初に見たのは小学生の頃でしたが、大人になった今、
改めて感動しました。せりふなどもほぼ原作に忠実だったのですが、当時村岡花子さん以外に翻訳本はあったの
でしょうか?完訳というものを最近知ったので。
アニメの赤毛のアンの原作本
ましう
さん
1月11日(木) 19時34分
村岡花子訳の「赤毛のアン」が三笠書房から出版されたのが昭和27年。たちまち大人気になり、
新潮文庫に納められたのが昭和29年。他の人の訳では、角川文庫の中村佐喜子訳が昭和32年、
旺文社文庫の神山妙子訳が昭和48年。講談社文庫の猪熊葉子訳が昭和50年、春陽堂少年少女
文庫の山主敏子訳が昭和52年です。そしてテレビアニメの放映は、昭和54年でした。
他にも昭和30年代に曾野綾子訳とか、神戸淳吉編著とか、白柳美彦文、なんていうなにやら
怪しい雰囲気のがいっぱいあります。
編とか文なんていうのはもちろんですが、曾野綾子訳のもやっぱり怪しい。村岡訳とそっく
りな上、村岡訳で省略されているところは全く同じに略されている。さては確信犯だな(笑)。
さすがの村岡さんも、この本が出たときは曾野さんに抗議の電話を入れたそうです。
他のも大なり小なり村岡訳の影響を受けていて、まったくオリジナルの訳は、角川文庫の中
村訳と、旺文社文庫の神山訳くらいでしょう。
で、アニメの「赤毛のアン」ですが、神山妙子訳をもとにしています。セリフもおんなじです。
アニメの後半部分で、村岡訳にない部分があって、アニメのオリジナルかと思ったら、ちゃん
と原書にはあるんですねぇ。それで村岡訳に欠落個所があるのを知った次第。
今、何種類か出ている「完訳版」だって、本当に完全なものはまだないようです。
たとえば、完訳を売り物にしている、講談社の掛川恭子訳も、冒頭のブラウニングの詩の引用
がありません。
「赤毛のアン」はブラウニングにはじまり、ブラウニングに終わるところに意味があるのです。
読者がそれを知らないまま終わってしまうのでは、作品に対する冒涜のような気がします。と
言ったら言い過ぎですか?
「赤毛のアン」のブラウニングの詩については、こちらにあります。
http://ya.sakura.ne.jp/~inetwork/pei-club/peiforum/maud/wforum.cgi
RE:アニメの赤毛のアンの原作本
とこ
さん
1月24日(水) 23時27分
ましうさん詳しい解説をありがとうございました。
神山妙子さんの翻訳本を読んでみたくなったのですが、現在は手に入るのですか?
老婆心ながら・・・。
小鉄
さん
1月26日(金) 4時16分
ましうさんがお忙しそうなので、余計なお世話とは承知の上で、とりあえず私がお答えします。
神山妙子さん訳の旺文社文庫版「赤毛のアン」は、確か現在絶版となっており、一般の書店では
購入できないはずです。図書館もしくは古書店でお探しになられることをお勧めします。インタ
ーネット経由での購入も可能です。詳細は、こちらをご覧下さい。
http://www.win.or.jp/~kaz-a/kogundo/pe_1.shtml
ありがとうございます。
ましう
さん
1月27日(土) 21時14分
みるね・・・じやなくて小鉄様、代返感謝します。
二つ上のスレッドで同じ様な質問に答えたので、あえて省略と決め込んでおりました。
旺文社文庫は絶版ですが、神山訳は「新学社文庫」と言うのに同じ訳で収められています。
ただし解説はありません(旺文社文庫は詳しい解説が売りでした)。
新学社は一般の書店ではなく、学級文庫や学校図書館に納品する業者のようです。