TOP > デイビーのノートブック > アンの小説関連

アンの小説関連

このページは掲示板での形をそのまま残してあります。

クイーン学院の卒業について C-VIEW さん

    アン一向がクイーン学院に入学した時、たしか、

    アンとギルバート→1年で卒業のコース
    その他の人→2年で卒業のコース

    を選択したんじゃなかったかな〜と思うんですけど、
    1年後にはみんな卒業してるよーな気がする...。
    このへんの解釈はどうなってるんでしょうか?
    あと、クイーン学院っていわゆるひとつの「高校」なんでしょうか?
    『エミリークライムズ』で「クイーン高校」ってでてきますよね〜?

    RE:クイーン学院の卒業について ゆきこ さん

      C−VIEWさん、こんにちは。前半の質問についてだけ
      なんですけど・・・
      私も記憶がごちゃごちゃになって同じ疑問を持ったことが
      あります。だけどもう一度よく読んでみて下さい。疑問が解決しますよ!
      アンとギルバート→本当だったら2年かかるところを1年で
               一級免許が取れるコース
      その他の人→1年で二級免許が取れるコース
      というわけでアンとギルは一級免許を、その他の人たちは
      二級免許を取得し、皆さんそろって一年でクイーンを卒業したのでした。

      う〜〜ん...でも...。 C-VIEW さん

        ゆきこさまっ!
        ありがとうっ!!
        そ〜だったんですかっ!?
        それはだとつじつまがあいますね。
        でもね〜...わたしの持ってる新潮文庫版には、その他の人は「2年のコースをとって満足していた。」
        としか書いてないもんで...。
        角川文庫版はどうだったかな〜?本がどっかいってしまった。

        RE:う〜〜ん...でも...。 ゆきこ さん

          本当だ〜。私も自分の本を確認したけどC−VIEWさんのおっしゃる通りです。
          失礼しました〜。どうやら私も同じ本を読んだ時に頭がごちゃごちゃしたようです。

          別の本では「第二課程」、「第二クラス」などと訳されています。
          英文も読んでみました。やっぱり、「2級免許の取れるクラスで満足した」という
          意味のようです。それからアンとギルは通常1年で2級のライセンス取得、2年で
          1級取得(もちろん試験にパスすれば)のところ、いきなり2年生のクラスに入っ
          たってことのようです。(もし違ってたらすみません、どなたか指摘を・・・。)
          原文といろんな訳を比べてみると面白いです。

    RE:クイーン学院の卒業について ましう さん

      このコーナーでは、はじめまして。
      アンたちの入学したクイーン学院のコースですが、
      ゆきこ姫の答えで正しいです。
      新潮文庫の村岡訳では、
      「アンはミス・ステイシーにすすめられたので、一年の課程をとるつもりだった。
      ギルバート・ブライスもそうだった。これは成績が良ければ教員の免許を、
      二年かかるところを一年でとれるのだった。が、それだけに勉強もつらかった。
      ジェーンとルビーとジョシーとチャーリー、ムーディ・スパージョンはそんな野心は
      もっていなかったので、二年のコースをとって満足していた。」
      角川の中村訳は
      「アンはミス・スティシィの意見で第一クラスの課程を取ることにした。
      ギルバート・ブライスも同じだった。これを無事に終えると、普通は二年かかる
      ところを一年で一級教員の免状がもらえるのだ。(中略)野心が強くないから、
      第二クラスで満足した。」

      他の訳でもだいたい同じですが、一年でアンとギルはそろって一級教員免許を、
      他の連中は二級教員免許をとって卒業、と言うことなのでしょうね。

      「赤毛のアン」はモード・モンゴメリの自伝的要素、というより作者の経験に
      基づいた部分が多いですから、困ったときは伝記や日記を参考にすると良いです。
      ハリー・ブルース著、橘高弓枝訳「『赤毛のアン』への遥かな道」(偕成社)には、
      「モードはプリンス・オブ・ウェールズ大学で最高のクラスに入った。つまり、
      もっとも骨の折れるファースト・クラスに登録したのだ。このクラスの学生は、
      三角法やラテン語、ギリシア語などのむずかしい学科を含めた十八科目を
      履修しなければならない。セカンド・クラスやサード・クラスの学生よりも
      程度の高い授業を受けることにもなる。ファースト・クラスの学生は二年間
      在学することになるが、優秀なモードは一年間で全教科を修了した。」

      これでおわかりになったでしょうか。他の本には、「モードは州で五番の成績で
      教員免許試験に合格した」とありました。普通二年かかるところを一年で、しかも
      トップから五番の成績ですよ!!

      クイーン学院ですが、日本で言う高校とは違います。カレッジですから、
      短大か専門学校みたいなものだと思います。講談社文庫の猪熊葉子訳では
      「クイーン師範学校」となっていました。

      アンは後に大学に進学しますが、モンゴメリ自身は、ハリファックスの
      ダルハウジー大学に入学のサインはあるものの、卒業してません。
      実際に行って調べたら、どうも冬の間の短期講習のコースだったらしいです。
      図書館に書類が残っていて、見せてもらいました。
      ダルハウジー大学は、北米で最初の大学の一つですが、
      その当時は女性は正規の大学教育は受けられなかったらしいです。
      悔しかったでしょうね。

      いろいろな訳を比べてみる(もちろん原文も含めて)、あるいは
      関連書を調べてみると面白いですよ。

      RE:クイーン学院の卒業について ゆきこ さん

        さすが、ましうさま!素晴らしい回答をありがとうございました。
        とても勉強になりました&ちゃんとした回答をしていただいて
        ほっとしました。

    RE:クイーン学院の卒業について ましう さん

      該当の箇所をもう一度読んでみたんですが、
      村岡訳の「(ジェーンたちは)二年のコースをとって満足していた」
      というのは、あきらかな間違いですね。そしてそれがC-VIEWさんの
      疑問につながったわけです。もとの文は「セカンドクラスで満足していた」
      という意味だと思います。
      すみません、引っ越しで原書や日記がでてこないもので、うろ覚えモードです。
      村岡訳はきれいな日本語で、わたしも大好きなんですが、こうした間違いが
      ところどころにあって、しかもこの後大量に抜けている箇所があるので、
      できれば他の本と読み比べされることをお勧めします。
      そうは言っても、村岡花子の翻訳文学史に残した貢献は絶対に否定される物では
      ありません。
      誰かムラオカチックな文体で完訳してくれませんかね。

    RE:クイーン学院の卒業について ゆきこ さん

      ma> 
      ま>もとの文は「セカンドクラスで満足していた」 という意味だと思います。
      ましうさま、その通りでございます!

      Anne intended taking up the Second Year work being advised to do so by Miss Stacy;
      Gilbert Blythe elected to do the same. This meant getting a First Class teacher's
      license in one year instead of two, if they were successful; but it also meant much
      more and harder work. Jane, Ruby, Josie, Charlie, and Moody Spurgeon, not being
      troubled with the stirrings of ambition, were content to take up the Second Class work.

      http://www.asahi-net.or.jp/~FG5M-OGM/avonlea/novels.htm
      ↑ここで全文読めます。