緑と赤
1ダースの男の子
さん
おひさしぶりです。私もアンブックスにはまって久しいので、自分でアン関連のホ
ームページを作ろうと思って、いろいろ考えたりしています。
さて、そこでちょっと質問というか、疑問なのですが、原題の「グリン・ゲイブル
ズのアン」は、「屋根の緑」と「アンの赤毛」の対色(赤と緑)で、クリスチャン
(キリストの血と常緑樹(永遠の生命))のことを表していると考えていいのでし
ょうか?そんでもって、ついでに、「雪の女王」が立っているので、それは白=純
潔を表していると思っていいんでしょうか?
つまり、邦題の「赤毛のアン」はインパクトは強いけど、モンゴメリが生きていた
としたら、ちょっと怒るかもしれないでしょうか?
よろしくお願いします。(邦題のついた過程は存じ上げております)
あと、素朴な疑問なんですが、オーチャード・スロープ(果樹園)には、ダイアナ
(=ギリシャ神話?=クリスチャンから見ると偶像崇拝の異教徒の名?=マシュウ
から見て不信人者)が住んでいるというのは、なぜなのでしょうか? 智恵の実を
食べたのは、イブですよね?
悪友という意味でしょうか?
面白い!
ましう
さん
今じゃ「赤と緑」はカップ麺の象徴だ!(信号機じゃないのね。あれは赤と青)
よくご存知だけど、1ダースの男の子さんはクリスチャン?
キリストの血と常葉樹。う〜ん、それは考え過ぎじゃないかなぁ。赤といって
も血の色じゃなくてニンジン色なわけだから。
とは言うものの、確かにそういうレトリックは成り立つかもしれません。
それもかなり説得力がある。
しかし問題は、作者のモンゴメリがそれを意図してやったかどうか。でもモン
ゴメリはこういう言葉の遊びみたいなことをあちこちでやってるからなぁ。案
外ありかもしれませんよ。
「赤毛のアン」出版直後、オレンジ党員(アイルランド系の政治結社)の一団が
この本の緑色の表紙と題名を見て、出版社になぐりこみをかけたんだそうな。
応対に出た出版社の社員が「主人公はオレンジ色の髪の毛なんだ」と説明して
引き上げていただいたそうです。(アイルランドはもともと緑色が国家の象徴
なんだけれど、この人たちは反体制派だったんだね。)緑の表紙ったって、現
物を見ると冴えない薄緑なんだが。
実際のところ、緑の切妻屋根の家は、今グリーンゲイブルズとして知られてい
るデイビッドとマーガレット老兄妹のマクニール分家ではなくて、モンゴメリ
の住んでいたマクニール本家がモデルになっているようです。デイビッド・マ
クニールの家の屋根の色ははっきりわかりませんが、こちらはほんとに屋根が
緑色だった。
雪の女王ねえ。純潔の象徴なら白百合なんだけど、これはアンが遊びに使って
おぼれそうになりますね。白百合姫って名前だけなんだけど。アンがリンドさ
んちの庭で摘むのも白百合(実際には水仙なんだが)。ではこれ何の象徴?
> 邦題の「赤毛のアン」はモンゴメリが生きていたとしたら、ちょっと怒るか
> もしれないでしょうか?
うん、怒る怒る。モンゴメリは名前にはうるさかったし、出版するときにも、
版元は著者は女の名前ルーシー・モード・モンゴメリにさせたがったのに、性
別不詳のL.M.モンゴメリに固執したという。「果樹園のセレナーデ」が出版さ
れたときにも、無断で一部が削られたのに対して、自分で電報を打ちに行った
そうですから。でも日本語としてはいい響きですよね。説明すればOKかも。
オーチャード・スロープ、知恵の実=りんご、ですか。
知恵の実を先に食べたのはイブだけれど、食べるように勧めたのはヘビです。
次に食べたのはアダムだけれど、神様にとがめられると「女が先に食べて自分
に勧めたからだ」と言い訳します。人類は最初からずるかった。でもダイアナ
がずるいとは思えないので、こういう保守的な村にしては、名前がちょっとモ
ダンでその上、不信心者みたいで、その対比が面白かったのかもしれません。
しかしコレは使えますよ。ホームページが出来たら教えてね。
さっそくのレスありがとうございます。貴重な写真も見れてありがたいことです。
さて、リンド夫人の庭の花もそうなのですが(水仙って、たしかエジプトで香水用
に栽培されていた)、アンがはじめてPI島にきて、マシュウと馬車でグリン・ゲ
イブルズに向かうとき、「赤い道」が強調されていますが、これはバージン・ロー
ドを意識していると思えます。
この道筋で、いろんな色がでてくるのですが、最初は桜(白)、つぎに赤い道、つ
づいて・・・というふうに見ていくと面白いです。
こういうレトリックは、偶然の一致というには、都合が良すぎるので、モンゴメリ
は意識したと思えるんですよね。はじめは意識してなくても、物語を書き進むうち
に、そうなっていくこともあるのじゃないかと。。。
とくに、アン・ブックスでは、聖書のエピソードをそのままそっくり引用している
箇所が多くあるので(たとえば、牧師候補がグリン・ゲイブルズを訪ねてきたとき
に、ブタが柵をぬけて、牧師をかかえて川のほうに行ってしまった、ブタはそのま
ま行方不明というエピソードは、聖書そのまんまですよね)、全体的に聖書のイメ
ージでアヴォンリーを空想しているのではないかと。。。。
そこで、ダイアナとオーチャード・スロープの疑問ですが、聖書創世記にはエデン
の樹木はでてくるけど、池はでてこなかったと思うので、これだけはギリシャ・ロ
ーマ神話のイメージのような気がしてきます。なぜなんでしょうね?そのころカナ
ダで流行だったのでしょうか?
画像間違えちゃった
ましう
さん
緑の表紙はこっちでした!
ましうさん、
この初版は何刷のものですか?ちょっと知りたいな。
ゆかさん! いらっしゃると思ってました。
同年9月発行の第四刷です。
手に入れたのは随分前ですが、状態が悪かったので、非常に安かった。
で、家に来てからもあちこちに貸しだすので、もうボロボロ状態。
酸性紙なので、紙の繊維そのものが痛んでいます。
挿し絵のページなんか、さわっただけで折れてしまいます。
でも本はたくさんの人に見ていただいてナンボですから。
崩れてしまってもそれはそれで良いと思っています。
ところでこの本は薄緑の表紙のとベージュの表紙の二種類存在するようです。
村岡さんちにあったのは、たしかベージュの表紙でした。
いつぞや淒い高値で売りに出ていたのもベージュの表紙でしたよね。
ではおまけで「アンの青春」と「アンの愛情」の初版本を。
左側、青春は1909年9月の初刷、右側の愛情は1916年6月の第十刷です。
青春はもう一冊(たしか二刷)持っていたのですが、それも同じ緑色でした。
ましうさん、きれいな画像をありがとうございます。目の保養〜。ましうさんのお持ちの初版は、
きっと持ち主のお気に入りだったんでしょうね。手ずれた昔の本を見ると当時の読者を連想したり
します。本は多くの人に見て(読んで)もらえるのが一番!
Anne of Green Gablesの1908年の初刷り(4月)はベージュの表紙のようです。初年度だけ
でも何回も増刷されているので、きっとベージュの布が足りなくなったのでしょう。緑のバージョ
ンもよく見かけます。
さて、ましうさんはご存知だと思いますが、モンゴメリの蔵書のイメージは下記サイトにもありま
す。みなさまご覧になってみてください。モンゴメリの手書き文字が見られる貴重なサイトです。
http://www.upei.ca/ 〜lmmi/exhibit-books.html
みなさま、ごめんなさい。
上述のサイトアドレスですが、〜(ティルダ)が文字化けしてますので、カット&ペーストだと該
当のサイトへ行けません。お手数ですが、アドレスボックスにご自身でタイプ入力してみてくださ
い。よろしくお願いします。
初版本表紙の謎
ましう
さん
ほんとだ。Anne of Avonlea も Anne of the Island も、表紙の色が違います
ねぇ。私の Anne of Avonlea は初刷なんですけど、表紙が緑。このサイン本
はベージュ。サイン本といえば、普通は初刷だよねぇ。
また謎が増えてしまった。
チルダを入れ直してみました。
http://www.upei.ca/~lmmi/exhibit-books.html
ではこのサイトのまねをして