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アン達がまねした「エレーン姫の劇」って?
イギリスのアーサー王の伝説に出てくるエピソードのひとつ。アーサー王については色々な本が出ています。
最近、ショーン・コネりーが映画の中でアーサー王になりました。
余談ですがアーサー王の宝剣「エクスカリバー」は冒険物のテレビゲームにもよく使われています。
アーサー王の13人の円卓の騎士のひとりランスロット。
じつは彼はアーサー王の王妃グィネヴィアの愛人でもあり、それはアーサー王の知るところでもありました。
アーサー王は、年若い王妃への深い愛と、騎士ランスロットへのゆるぎない信頼にささえられて、二人のことに目をつむっていたのです。
ある時「百合の乙女」と呼ばれるエレーン姫がランスロットに恋をします。
戦い(戦争)に出かけるランスロットにエレーン姫は自分のドレスの小袖を破いて渡します。当時、戦いに出る男性は恋人の小袖をお守りにしていたからです。
ランスロットはエレーン姫の小袖をつけて戦いますが、それは彼がエレーン姫の気持ちを受け入れたからでは決してなく、自分がランスロットであることを隠し敵をあざむくための道具にしたにすぎないのでした。
それを知らないエレーン姫は戦いで負傷したランスロットを手厚く介抱します。
一方、愛人グィネヴィア王妃はランスロットが心変わりをしたと怒ります。
しかしランスロットはエレーン姫を『自分は一生結婚しない。あなたと恋人にもならない。』ときっぱり拒絶し、姫のもとを去って行きます。
ショックのあまりエレーン姫はその場で気絶し、目をさました後も何も喉を通らない日が続き、とうとう死んでしまうのです。
エレーン姫は亡くなる前に遺言を残します。
それは、自分の亡骸を、川に流してくれというものでした。
彼女の父親は彼女の手に彼女が書いたランスロットへの手紙を持たせ遺言通り彼女の亡骸を小舟に乗せて川に流します。
(アンが劇としてまねたのはこの部分です。)
川を下った場所にアーサー王の城がありました。
そこで、王と王妃と愛しいランスロットに見つけられるのです。
けれどランスロットはエレーン姫の最後の手紙を読んでも、なお、王妃に愛を誓うのです。
王妃は彼の気持ちを疑い怒ったことを後悔します。
アーサー王はランスロットに『騎士の名誉にかけてエレーン姫を手厚く葬るように。』言います。
以上が簡単なあらすじでした。
物語の中全体でのエレーン姫のエピソードは、ランスロットの王妃への強い愛と、 アーサー王の広い心を強調するために書かれたもののように思われます。